8日の開幕戦で左ひざ内側側副靱帯(じんたい)を損傷し離脱していた清水DF市川大祐(27)は、この日の戦術練習で右サイドバックに入った。30日の大宮戦(日本平)で、開幕戦以来の先発出場を果たす見込みだ。

 開幕戦で左ひざを負傷した市川が、右サイドバックの定位置に帰ってきた。前日に2部練習をこなしたにもかかわらず、この日の戦術練習では患部をテーピングしながら守備側の右サイドバックでプレー。「ちょっと痛いですね」と話しつつも、大宮戦については「目標としてやっています」と先発復帰へ意欲を燃やした。長谷川監督も「大丈夫でしょう」と起用の方針を示した。

 欠場した公式戦3試合中1試合は、スタンドから観戦した。見ているうちに、歯がゆさ以外の感情が起こってきた。「上から見るのと、中でやるのは全然違う」。ピッチでは相手のプレッシャーでボールキープに余裕がないように感じていたが、スタンドから見た印象は違った。「(一瞬)早く見ておけば、プレッシャーの中でも流せる。基本的なことですけど、ボールを置く場所で(次のプレーが)変わる。勉強になりました」。

 代役で新人DF辻尾が活躍したのも「出たら自分らしさを出せばいいんだ」と刺激にした。「違う角度から見られて良かった。いろいろ外から言われるのも分かるな、みたいな」と冗談交じりに「けがの功名」を口にした。98年4月1日の韓国戦で、史上最年少の17歳322日での国際Aマッチデビューを果たした市川が、新鮮な気持ちで大宮戦に臨む。【浜本卓也】