<J2:鳥栖1-1熊本>◇30日◇ベアスタ

 鼻が折れても気持ちは折れない。熊本のエース高橋が、初の九州ダービーで勝ち点1を、もぎ取った。前節湘南戦(23日)で鼻骨骨折し、フェースガードを着けて出場。1点を追う後半15分、DF福王忠世(23)のクロスをヘディングし、同点ゴールを決めた。「雨が降って(ガードが曇り)視界がぼんやりすることはあったが、違和感はなかった」と強行出場でも、J2日本人トップの4得点目を挙げた。池谷友良監督(45)は「けがの影響がないと言ったら、うそになる。だが、自分が重要な選手だと理解して、ファイティングポーズを取ってくれた」と、精神面を高く評価した。

 センターバックをこなす4選手を最終ラインに並べた守備も、機能した。前半は風下に回り、猛攻への対処に追われた。公式戦2年ぶりの先発だったDF河端和哉(26)が無人のゴールで、ポストにぶつかりながらクリアするなど好プレーを見せ、1失点で後半の反撃につないだ。池谷監督は「相手の勢いに負けず、よく1失点で耐えた。九州を盛り上げる意味でも、ダービーで良いライバルになっていかなければならない。まだ足りない部分もあるが、ひたむきさは伝わったと思う」と話した。新参熊本の奮闘が、九州ダービーを面白くする。【佐藤千晶】