京都が超強行移動を乗り越えて、強豪クラブへと成長する。16日のナビスコ杯浦和戦(駒場)に向け、15日は完全非公開で調整を行い敵地入りした。浦和戦後は中2日で、19日にアウェー新潟戦(リーグ)が控える。京都-浦和-京都-新潟-京都と総移動距離は約2520キロ。連勝すればナビスコ杯決勝トーナメントへ前進し、リーグ戦も3位浮上の可能性がある。常勝軍団を目指す京都は、急がば回れ-で試練を克服する。

 京都に見えない敵が立ちはだかる。アウェーのナビスコ杯浦和戦後は、翌17日の午前中に新幹線で4時間かけて京都に戻る。翌18日の昼すぎには、再び4時間かけて新潟へ。京都滞在はわずか24時間だけ。その間に2回の練習を行う。中2日の過密日程だけでなく、総距離約2520キロの大移動との戦いになる。

 浦和戦後も埼玉に滞在し、そのまま新幹線で新潟へ向かえば移動は楽だ。しかし加藤監督は「サッカー選手なら当たり前のこと。ACLに出てるG大阪なんて、もっと大変でしょ。ボクらが現役のころに比べたら…。それくらい乗り越えないとね」と気にするそぶりもない。ACLに出場すれば、海外での試合から帰国し、すぐにリーグ戦が待ち受ける。強豪クラブへの飛躍に備えて?

 あえて苦難の道を選択した。

 浦和、新潟と敵地で連勝すれば上位戦線に食い込む。ナビスコ杯は4強入りした00年以来の決勝T進出へ前進。リーグ戦も3位浮上の可能性がある。指揮官は「今は1試合、1試合を勝つことだけを考える」と平常心を強調。浦和戦はFW徳重、DF角田が体調不良で欠場濃厚だが、右足痛からエースFWパウリーニョが戻ってくる。常勝軍団になるために、この試練は回り道じゃない。【益子浩一】