<ナビスコ杯:千葉0-0札幌>◇予選リーグC組◇16日◇フクアリ

 千葉の高卒ルーキーMF益山司(18)が、珍デビューした。右サイドバックでスタメン出場したが右足首をねんざし、前半9分に自らサインを出して交代した。「最初のプレーで痛めました。芝生に足が引っ掛かった」。開始20秒で相手からボールを奪い、前へパスを出す際に、ボールではなく「地球」を蹴ってしまった。その後もヘディングで競り勝つなど、痛みを我慢してプレーしたが、デビュー戦は実質、20秒で終わってしまった。

 「ロッカーでは涙目でしたけど、泣いてませんよ。みんなに申し訳ない」。控室に戻り、ベッドに横たわって仲間を応援した。公式戦デビューとあって、母・輝子さん(48)が銀行を休んで岐阜から応援に駆けつけたが、格好いい息子の姿を見せることができなかった。それでもクゼ監督からは「彼は信用している。治り次第、必ず11人の中でつかっていく」とレギュラーの座を保証された。

 守備時の姿勢が、昨季浦和へ移籍した日本代表MF阿部に似ていることから「阿部2世」と呼ばれている。その阿部もデビュー戦は10分間の出場だった。17日に精密検査を受ける予定の益山は「まずはしっかり治してからです」と出直しを誓った。【盧載鎭】