<J2:甲府2-1広島>◇第8節◇20日◇ビッグアーチ

 J2サンフレッチェ広島は20日、広島ビッグアーチでの甲府戦を1-2で落とし、7戦目にして今季初黒星を喫した。ホームで逆転負け。おまけにここまで絶不調の昇格争いのライバルに、自ら息を吹き込む最悪の敗戦だ。かろうじて首位の座は守ったが、いつ状況が一変するか分からない。J1復帰のためにも、チーム再建が急務だ。

 最低でも引き分け勝ち点「1」が必要だった。J1から降格の甲府に、ホームでまさかの逆転負けを喫し、これでペトロビッチ体制で甲府とは4敗1分け。試合後、主将のFW佐藤寿は「本当にもったいない。貴重な勝ち点を失った」と何度も繰り返した。

 ゲームの主導権が一瞬で相手に渡る。前半4分、MF李の右クロスを受けた佐藤寿が一呼吸置き、後方から駆け上がったMF服部に冷静なラストパスを供給。服部が左足で逆サイドネットを揺らしサンフレが先制に成功した。だが理想の展開は、わずか3分後に相手に渡った。

 同7分、浮き球パスを、DFストヤノフとDF森脇が譲り合う一瞬の間に、裏を抜け出たFWジョジマールにフリーで決められ1-1に。「簡単にクリアで良かった…」とDF森脇。同25分、MF美尾のフワリと浮かす絶妙FKからDF秋本に逆転ヘッドを許した。サンフレはその後、猛攻を仕掛けるが守備固めに入った甲府を崩せず、1-2のまま試合終了。

 ここまで1勝4分け2敗と開幕ダッシュに失敗した昇格争いのライバルに、自ら息を吹き込む手痛い黒星。かろうじて首位の座を守ったサンフレだが、下との差は詰まっている。「ここで突き放したかった」と佐藤寿。油断と連係ミスが招いた逆転負けに「しっかりと試合を分析し、次戦に備える」とペトロビッチ監督。この敗戦から得た教訓は大きい。J1昇格へ-。次戦以降にしっかりと生かさなければならない。【佐藤貴洋】