<J2:熊本2-1甲府>◇第10節◇29日◇熊本

 J2新参入の熊本が昨年のJ1チーム甲府を破り、7試合ぶりに今季2勝目を挙げた。「これまでいいゲームはできてたけど、勝利がついてこなくて。今日は高い意識をもってやってくれた」。最下位脱出も決めた池谷友良監督(45)はホッとした表情だった。

 全員でつかんだ勝利だ。前半26分、MF小森田友明(26)がFKを決めて今季初得点。チームも今季初めて先制する展開となった。後半3分にPKで同点に追いつかれたが、直後の後半7分、山本翔平(25)のFKを矢野大輔(23)が頭で合わせてゴール。「狙っても打てないところに決まりました。自分のゴールで勝てて良かった」。矢野自身05年鳥栖時代以来の得点。終盤の29分にはMF車智鎬(25)が退場となったが、10人で1点リードを守りきった。

 初勝利を挙げてから4敗2分け。4敗のうち3試合が1点差の惜敗だった。「やれるという自信が少しずつついてきました。メンタル面でヘタってるヤツは誰もいなかった」と主将のDF上村健一(34)。自分たちのサッカーを信じて、勝てない中でもモチベーションを保って勝利を目指してきた。

 次節からも横浜FC、福岡とJ1経験チームとの厳しい対戦が続く。「結果がついたことが次につながっていくと思う」と池谷監督。選手にとっては勝利が何よりの薬。この勝利を起爆剤に熊本が反撃に出る。【前田泰子】