コンサドーレ札幌が練習生として参加しているブラジル人FWエジソン(18)を獲得することが4月30日、確実となった。この日、28日の来日後初めての実戦となる道都大との練習試合に後半から出場した。39分には右足で“日本初ゴール”を決めるなど、好プレーを披露。首脳陣もC契約を結ぶ方針を固めた。W杯アジア3次予選の中断後最初の試合となる6月29日のアウェーG大阪戦でのデビューを目指す。

 エジソンがベールを脱いだ。後半からピッチに立つと、アグレッシブにボールへ向かった。後半12分には大またでドリブル突破し、3人のDFを振り切ってゴール前へ飛び込む。同39分にはMF岡本からのパスを右足で押し込み“来日初ゴール”を奪った。「ゴールできて良かった」とホッとしたその表情はあどけない。しかし、柔らかいボールタッチ、高い運動能力は非凡なものを感じさせた。

 首脳陣も手応えを感じた。昨年8月、ブラジルに渡った際に「将来の財産」としてエジソンを発掘した三上強化部長は言う。「まあ、今日の出来がどうこうというものではありませんが、契約の前提で連れてきています。彼は『速い、うまい、強い』という3拍子がそろっている」と、C契約を結ぶ方針を固めた。三浦監督も「スピードあるし、印象は悪くない。(W杯予選の)中断明けに使えるようになればありがたい」と契約に前向きだった。

 チームにとって計算できるFWは、のどから手が出るほどほしい。中山が左ひざ、DFからコンバートした曽田も腰痛で離脱。前節浦和戦はFWにMF登録の西とクライトンを起用した。攻撃陣の台所事情は苦しい。それだけに若いエジソンにとってもチャンスはある。

 向上心は人一倍だ。エジソンは「日本のサッカーは速い。そして札幌はロングボールが多く、FWでも守備をする戦術。もっと慣れて形をつくりたい」と、貪欲(どんよく)に吸収する姿勢を見せる。デビューも心待ちにした。「ダビとコンビを組んで早く試合に出たい気持ちでいっぱいです」。18歳の少年は周囲を期待させる何かを持っている。【上野耕太郎】