2連勝中同士で迎える今季初の静岡ダービー(3日、日本平)まで、あと2日。J1清水は4月30日、サテライト組が練習を行った。清水東出身の清水FW西沢明訓(31)は、右足首痛で前節柏戦を欠場したが、ダービーでの先発復帰を目指して調整を行った。

 最高気温が23・8度を記録したこの日、サテライト組の中に、額に汗を流して練習に打ち込む西沢の姿があった。柏戦は右足首痛と疲労で欠場したが、この日はフルメニューを消化。ミニゲームでは得点も決めた。「痛いけど、言ってる場合でもないしね」。心地よさげに汗をぬぐった。

 ダービーへ向け、気持ちは高まっている。清水の地で生まれ育ち、プロになってからは国内外で経験を積んだ。そして07年、「地元でもうひと花咲かせたい」と、オレンジのユニホームに袖を通した。だからこそ、静岡勢の激突には熱くなるものがある。C大阪時代にもG大阪との大阪ダービーを経験しているが「静岡のダービーは特別なものだと思う」と言い切った。

 昨季のダービーは、2試合で計4分間の出場に終わった。今回こそ長い時間をピッチ上で過ごしたい思いは当然あるはず。だが、西沢は「勝った方が勢いに乗っていける大事な一戦。出られればしっかりやりたいと思うし、出られなくてもチームが勝つことに何かしら力になれたら」と、宿敵撃破だけを思い描いた。

 ナビスコ杯東京V戦で移籍後日本平初ゴールを、横浜戦で513日ぶりにリーグ戦ゴールを決めるなど、ここまでチームに勢いを与えてきた。長谷川監督は「状態を見ながら」と先発起用には慎重だ。右足首に痛みも残っている。それでも西沢は「何とかしないといけない」と力を込めた。宿敵撃破へ、清水のアニキが力になる。【浜本卓也】