<J1:東京V3-1札幌>◇第11節◇6日◇札幌ドーム

 悪夢の黄金週間となった。コンサドーレ札幌は本拠札幌ドームで東京Vに1-3と完敗を喫した。前半に東京Vの3人の外国人選手に立て続けにゴールを奪われる苦しい展開。後半10分にクライトン(30)が今季初ゴールを決めるも、大量失点をはね返せなかった。4月26日新潟戦でのダビの乱暴行為による退場から始まったゴールデンウイークは、04年9月以来の4連敗と、最悪の形で幕を閉じた。

 スタメン4人を入れ替えた札幌の選手起用が、完全に裏目に出た。右サイドに鄭、センターバックに平岡を起用した新DF陣に、いきなりほころびが出た。前半5分、レアンドロに先制を許すと、防戦一方になる。同21分にディエゴ、同33分にはフッキと、立て続けに3点決められた。三浦監督は「非常に内容の悪い前半を見せてしまいファンに申し訳ない。前半で決まってしまった」と振り返った。

 指揮官が言うよう前半は良さが1つも出なかった。中盤でボールを奪えず、DFラインは下がり続け、3試合ぶりに復帰したFWダビにボールを運べない。シュートは1本も打てなかった。後半にルーキーのFW宮沢とDF柴田を投入。DFラインを立て直し、クライトンをFWから本来のボランチに据えてからいい形ができ始めたが、1点返すのがやっとだった。連戦の疲労と前節京都戦完敗の内容から図ったテコ入れは、実らなかった。

 J2で最下位に終わった04年以来、4年ぶりに喫した4連敗に、選手は危機感を募らせる。GK高木は「もっと強い気持ちでいかないといけない」と言った。リーグ戦9試合ぶりに復帰した藤田は「前半みたいなゲームをやっていたら、どこにも勝てない」と反省した。三浦監督が「浦和戦、京都戦で失点した選手が(ショックを)引きずっている。メンタルの弱さを感じる」と言ったよう、まずは強い気持ちを取り戻さねば、光は見えてこない。

 勝ち越しを狙った黄金週間は、戦前まで下位にいた新潟戦の完封負けから始まり、昇格組の京都、東京Vにも完敗し、4試合白星なしで終わった。DF吉弘は「ふがいない試合を見るためにサポーターが来ているのではない。これ以上、下を向かないでやる」と誓った。J1残留という目的を達成するためには、その言葉を形としなければならない。【上野耕太郎】