<J2:熊本4-2福岡>◇第12節◇6日◇レベスタ

 J2熊本がFW高橋泰(27)のハットトリックで、福岡を粉砕した。相手の最終ラインを徹底的に揺さぶり、初対戦を白星で飾った。

 エースが5年ぶりのハットトリックで復活した。1点を追う前半28分。自陣からDF上村健一(34)のFKを、前線で受けた高橋が、DFを1人かわして右足でゴールに流し込んだ。開幕戦から4戦4発も、4月の5試合は不発。「得点以外で貢献はしていたけど、FWは結果が評価される。1点目の良い動きで、気持ちが解放された」と、重圧に打ち勝って決めた7試合ぶりのゴールで波に乗った。5分後には約30メートルの直接FKを、5枚の壁を越えゴール右上すみに決めた。前半終了間際に追いつかれたが、勢いは消えない。後半27分には再び上村との連係で、カウンターからダメ押しの4点目。「福岡と同じ土俵に立ったからには、勝って盛り上げたいと思っていた。たくさん集まってくれたサポーターに、恩返しができたかな」。Jでは広島時代の03年以来のハットを達成すると、ゴール裏にダッシュして喜んだ。

 J1経験チームとの5連戦で2勝を挙げ、池谷友良監督(45)は「収穫ばかりだった」と、うなずいた。次節(11日)は、チームの全員が「一番負けられない」と話す参入同期の岐阜戦。ホーム凱旋(がいせん)に、最高の勢いをつける1勝だった。【佐藤千晶】