千葉が、クゼ監督(55)の後任としてプレミアリーグ・リバプールのアレックス・ミラー・ヘッドコーチ(58)にオファーを出したことが7日、分かった。複数の欧州代理人が明かしたもので、年俸は500万ポンド(約1億500万円)。千葉はクゼ監督の解任をこの日、正式発表。ミラー氏がオファーを受け入れ、就労ビザが獲得できるまでは、越後和男コーチ(42)が監督に昇格して指揮を執る。

 欧州王者の「頭脳」を輸入する。この日、クゼ監督を解任した千葉が、リバプールのヘッドコーチとして05年欧州チャンピオンズリーグ(CL)を制したミラー氏に白羽の矢を立てたことが分かった。欧州のある有力代理人は「6日に日本のクラブから話があったと聞いた。アレックスも以前から『アジアでチャレンジしたい』と言っていたし、一気に決まるんじゃないか」と明かした。

 千葉は6日の浦和戦で0-3の惨敗を喫し、開幕からリーグで唯一白星なしの2分け9敗の勝ち点2。超低空飛行が続いている。この日、昼田GMは「後任は外部から取ってくる。クゼ監督と話をして、昨日(6日)の夜から動いた。この状況を打破できる人を捜している」と発言。千葉は近年、オシム元監督をはじめ東欧、中欧系の指導者を監督に据えてきた。今回、2部降格の危機的な状況を一変させる力量があると見込んだのが、英国系のミラー氏だった。

 同氏は以前、スコットランドリーグのハイバーニアンなど中小クラブの監督を務め、セルティック、レンジャーズの2強態勢に食い込み、複数回カップ戦優勝の経験を持つ。苦境にあるチームを立て直す手腕は今でも同リーグで高く評価されている。また、リバプールでヘッドコーチを務めているが、実際の役割は日本の監督と変わらない。プレミアの場合、監督は日本のGM的な性格が強く、実際に現場を仕切り、練習を指導するのはヘッドコーチの役割だ。実際にリバプールを率いてクラブW杯に出場した05年には、ベニテス監督に代わって、監督会見でコメントしている。

 リバプールでフェルナンド・トーレス、クラウチら大型FWを育ててきた実績もあり、巻のさらなる成長をもたらす効果も見込まれる。リバプールのチームスカウトの経験もあり、欧州全体に人脈を持っていることから今後、即戦力の新外国人獲得にも手腕発揮を期待できそうだ。プレミアリーグは11日で今季の全日程が終了する。

 昼田GMは「2、3日で方向性が決まり、発表できるかも」と話しており、早ければ17日の大分戦、遅くてもリーグ戦中断期間中には、欧州の名将が千葉の立て直しに着手することになりそうだ。