<J1:名古屋3-1札幌>◇第13節◇17日◇札幌ドーム

 J1上位の実力にねじ伏せられた。リーグ17位のコンサドーレ札幌がホームで2位の名古屋に1-3で惨敗した。前半16分にFW宮沢裕樹(18)がプロ初ゴールを決め先制も、後半にミスから失点を重ね、逆転負けを喫した。W杯アジア3次予選のためリーグは6月下旬まで1カ月以上の中断期間に入る。前半戦13試合で勝ち点10の17位と低迷。J1残留へ中断期間での立て直しが急務になった。

 前半のリズムがうそのように崩れた。後半5分に名古屋マギヌンに同点ゴールを許すと大きく失速した。同22分、相手FWに杉本が投入されるとその速さについていく体力は残されていなかった。同24分、GK高木のミスキックを杉本に奪われ、そこから玉田に勝ち越し弾を決められた。同35分にもドリブル突破した杉本を吉弘が追い切れず、ペナルティーエリア内で倒しPKを与えた。三浦監督が「1、2点目はミスでの失点。やや自滅かな。エネルギー切れが後半の失点につながった」と言うほどの“ガス欠”だった。

 DFラインの崩壊が誤算だった。特に開幕から13戦で失点は前半9に比べ、後半は16と息切れが目立つ。リーグ戦で完封試合もなし。三浦監督は「けが人が多すぎる。DFのレギュラーが(昨年に比べ)誰も残っていないのも失点につながっている」と会見で漏らした。最低でも試合数と同じ勝ち点を目標にし、最終的には勝ち点40で残留と計算していた。しかし、13戦で勝ち点10と最低の目標も下回ってしまった。

 上位の名古屋相手とはいえ、大敗にショックを隠しきれなかった。クライトンは試合後に開口一番「ミスばかりで理解できないところがある」と珍しく厳しい口調で話した。坪内は「もう残り20試合しかない。厳しくなってきたかなと。もったいない試合がどのチームでもあるけど、うちは多すぎる」と危機感をあらわにした。

 中断期間の1カ月がJ1残留への分かれ道だ。三上強化部長も「日本、外国を問わず補強に動きます」と明言。DF陣は西沢、西嶋という昨年のレギュラー陣が復帰する見込みでFWを最優先させる。「ダビがいないときに負けが続く」と同部長も分析。弱点を解消するためブラジルへの視察も行う。けがからの復帰組と新加入のFWエジソンをナビスコ杯などの実戦に投入し、巻き返しを図る計画だ。チームの資金計画でもJ2降格は“想定外”。札幌の将来が中断期間の1カ月にかかっている。【上野耕太郎】