<J2:岐阜0-1草津>◇第14節◇18日◇長良川

 ホームなのに…。J2岐阜が本拠の長良川で草津と対戦し0-1で敗れた。後半5分にFW片山真人(24)がPKを失敗し絶好の先制機を逸すると、同30分に失点し敗れた。岐阜はJ第1クールを終え5勝2分け7敗、勝ち点17の8位とJ2参戦初年度としては、まずまずの位置につけているが、地の利のあるはずのホームでは1勝1分け5敗と散々の成績。すっかり苦手となってしまったホームで勝つことが、中盤第2クールの緊急課題となる。

 “我が家”なのに、居心地が良くない。岐阜がホームでまた負けた。長良川では4連敗。唯一の勝利である3月23日徳島戦を最後に約2カ月、これで5戦勝ちなしとなった。全チームの対戦を終えた第1クールの戦績をみるとアウェー4勝1分け2敗に対し、ホーム1勝1分け5敗と大苦戦している。

 この日も相性の悪さを象徴するような内容だった。0-0で折り返した後半、チーム得点王のFW片山がまさかのPK失敗。切り札のFW森山投入の3分後に決勝点を奪われる悪循環。片山は、試合後もユニホームで顔を覆って引き上げ「完ぺきミスです」と自らを責めた。

 「ホーム」が「アウェー」になっている。最大の理由はピッチ。土壌が粘着質な上、芝生の生え方が密で、陸上競技に頻繁に使用されるためボコボコしているという。結果、ボールが走らない。パス交換し、ボール支配率を上げてゲームをコントロールする岐阜のスタイルが最も発揮しにくい状況。2月にJ1名古屋とプレーシーズンマッチを行ったが、その際に名古屋の選手も違和感を口にしていた。

 競技場を含むメモリアルセンターという施設全体が県の持ち物で芝生の養生に熱心なこともあり、練習で使用することもままならず慣れることもできなかったことも影響しているかもしれない。開幕からはや3カ月。松永監督も「正直、もう少し(練習で)グラウンドを使えたら、というのはある」と苦しい胸の内を吐露した。

 ホームでの試合結果は、サポーターへのアピール度に関係し観客動員、つまりクラブの入場料収入にも直結する大問題。J2参入初年度で8位と健闘している岐阜にとって、クラブの努力のみでは解決できない“住環境”の改善が急務となっている。【八反誠】