<J2:C大阪2-1福岡>◇第15節◇21日◇長居

 「追試」3試合で勝ち点1も取れず、福岡の監督交代は決定的になった。リトバルスキー監督(48)の去就判断期間とされた最後のC大阪戦は、1度は同点に追いついたがオウンゴールで5連敗。クラブ首脳は「慎重に検討する」と態度を保留したが、7試合勝ち星がなく、リーグ14位まで落ち込んだ状況打破には指揮官交代の選択肢しか残されていない。

 最後の希望は、ゴール前の混乱に吸い込まれて消えた。1-1の後半31分。FKからゴール前の混戦となり、こぼれ球が福岡DFに当たってラインを割った。残り14分間、オウンゴールで許したリードを取り戻す力は福岡にはなかった。試合後、会見した都筑興社長(66)と田部和良GM(46)は「今後慎重に検討する」と監督の去就について、態度を保留。しかし、検討期間とされた3試合の感想を問われると「残念で、不本意な結果」(都筑社長)「今日は一番いいゲームだったが、勝ち点を取れていないのは事実」(田部GM)と、前向きな材料は提示されなかった。

 リトバルスキー福岡62試合目で初めて、スイーパーを配置した4-5-1のシステムが前半は機能した。布部陽功(34)以外のDF3人が相手の前線をマンマークで押さえ、シュート7本と相手を上回るチャンスをつくったが得点にはつながらず、後半は防戦一方。指揮官は「引き分けでホームに戻れるかと思ったのだが」と残念そうな表情で話した。去就については「私が答える質問ではない。3試合と(猶予を)決めた人に聞くべきだ」と辞意は示さなかった。しかし、クラブ関係者によると「あと2、3試合見てほしい」と提案したのは監督側で、進退を懸ける覚悟があったのは事実だ。

 今後、チームを率いる自信を問われた監督は「ラモス(前東京V監督も昨年)は7連敗しているから、私もまだあきらめない」と強がった。この日のチームは、今季一番と言える積極性を見せたが、それでも勝利をつかめなかったことが、最大の問題だ。田部GMは後任者について「探していない」と否定したが、14位まで順位を落とした現状を打破するため、監督交代は決定的になった。