第5の外国人選手はチームの救世主となるか!?

 コンサドーレ札幌に22日、練習生としてブラジル人FWアンデルソン・ルイス(30)が合流した。187センチの長身で、ポルトガルの名門ベンフィカにも所属した経歴を持つ期待のFWは、来月9日まで練習に参加する。速さと突破力を首脳陣にアピールし、正式契約を目指す。かねて獲得候補に挙がっていた長身ストライカーが、リーグ戦17位と低迷中のチームの切り札となるか、動向が注目される。

 合流初日から精力的だった。22日、札幌ドームのサブグラウンドにアンデルソンは派手なオレンジのシューズを履いて登場した。前夜に札幌入りしたにもかかわらず、シュート練習など1時間半のメニューを黙々とこなした。練習後は「結構、疲れたよ」と苦笑いしながらも、しなやかな動きを披露した。

 練習生としての参加だが、新外国人の有力候補になる。06年、三上強化部長はプレーをビデオで見て、獲得リストに挙げていた。「守備もできて、自分でボールを運ぶことができる。速くて突破力がある」とその印象は強く脳裏に残っている。その力が本物か見極めるため、今回日本に呼び寄せた。同部長は選手獲得のため来月ブラジルに渡るが、アンデルソンが評価通りの動きを見せれば、FWノナトを解雇し、契約する構えでいる。

 経歴は申し分ない。ブラジルではコリンチャンス、ポルトガルではベンフィカなど、名門でプレーしてきた。三浦監督も「ブラジルだけでなく、ポルトガルで7年やっている選手ですしね」と期待している。

 ただ気掛かりなのはブランク。昨年11月にブラジルのイトゥアーノとの契約が切れた後は海外移籍を志望。どのチームにも属さず、地元サンパウロで練習をしながら、朗報を待っていた。そこに札幌から声が掛かった格好だ。「テストを受けるのは初めてだが、頑張りたい」。意欲の言葉をプレーで示すことができるかが注目される。

 公式戦出場はできないため、26日の北海道チャンピオンズスーパーリーグの道都大戦後に練習試合を設けるなどし、見極めを図っていく。「日本のサッカーはスピードがある。早く慣れてシュートとキープ力を見せたい」。長身FWが期待に違わぬプレーを見せ、札幌の首脳陣をうならせることができれば、低迷脱出への大きな力になることは間違いない。【上野耕太郎】