176日ぶりに、あの男が戻ってくる!

 J1磐田のFWカレン・ロバート(22)が、25日のナビスコ杯清水戦(日本平)で、今季公式戦初先発を果たすことが濃厚になった。昨年末からの恥骨周辺の痛みなどで出遅れていたが、ようやく復調。この日、FW前田遼一(26)が右ふくらはぎの違和感で練習を離脱しただけに、戻ってくる男に期待が託された。

 そこに、カレンがいた。全員で行った攻撃のフォーメーション練習。主力組のFWに万代とともに入ったのは、長い間もがいてきた男だった。内山監督は「見ての通りです。1対1で逃げなくなったね」とニヤリとしカレンの先発を示唆。本人も「すぐに疲れちゃいます。でもみんな『体がキレている』と言ってくれるので体調はいいのかな」と“その気”を持ち始めた。

 半年かかった。昨年12月1日の柏戦を最後に、恥骨周辺の痛みで離脱。1度は2月の鹿児島キャンプで、動きながら治す方法を試みた。だが再びリハビリ生活に戻った。見えない光-。その暗闇に、耐えた。

 「今まで嫌いだったし、鍛える時間がなかった」という下半身の強化に着手。あまりのきつさに、風呂場で倒れたこともあった。もも回りは膨れ、服はきつくなった。スピードも回復した。「思ったより長かったけど、思った以上に治すまでの過程は充実していた」と言った。

 同世代のU-23代表は現在、フランスでトゥーロン国際に臨んでいる。だがカレンは「もともと当落線上にいたから。W杯だったらショックだけど五輪なら」と焦りを打ち消した。今、頭にあるのは「チームがこういう状況。どうにか貢献したい」の思いだけ。託された期待は、大きい。【今村健人】