無罪裁定から一夜明けたこの日我那覇は、選手会やサポーターなどが集めた募金を除いた裁判費用の大部分を自己負担するとした。募金は1600万円集まったが、費用の総額は約4500万円(うち翻訳などの実費が2320万円)。そこからCASがJリーグに支払いを命じた仲裁費用(仲裁人の招請、日本滞在費用など)と、2万ドルを差し引いても、膨大な額が残るが「自分でどうにかしなきゃいけない。親せきや身内で何とかしたい」と話した。

 それでも表情はすがすがしかった。「長かったけど、いい結果が出た。できるなら支援してくれた方1人1人にお会いして感謝申し上げたい」。この1年は、後ろ指を指されるようなつらさも味わったが「信じた道を貫いて良かった」と喜んだ。昨年4月の問題発生以降、公式戦は無得点が続き代表も外れたが「サッカーの件と、この件は無関係」と言い切り、Jリーグへの批判も一切しなかった。「恩返しはピッチで活躍すること」と、どこまでもけなげだった。