<ナビスコ杯:川崎F2-0札幌>◇予選リーグC組◇5月31日◇等々力

 コンサドーレ札幌のナビスコ杯決勝トーナメント進出が絶望的となった。アウェーで川崎F戦と対戦、0-2で敗れた。序盤、日本代表4人を含め主力6人を欠く川崎Fゴールに再三迫るもゴールを割れず、前半18分に先制点を許し、後手に回った。18歳のブラジル人FWエジソンを後半途中から投入するなど策を講じたが、無得点で敗退。勝てば予選リーグ1位通過も見えていたが、最下位転落となった。

 札幌サポーターの怒声が、等々力に響いた。試合後、雨の中、ずぶぬれで肩を落とす選手たちがスタンドへ向かった。「しっかりしろ」「素人が分かるような単調な試合なんかするな」。立て続けに浴びせられる大声に、DF吉弘は「今年初めて厳しい声が飛んだ。雨の中で来てくれたサポーターにこんな試合をしてしまって…」と唇をかんだ。

 三浦監督が「今季初めて迎えた、絶対に勝たなければならない状況の勝負」と位置づけた一戦。前半はその思いが形になって表れた。6分、ダビが左足でボレー、こぼれ球を西谷が左足でともに強烈なシュートを放つも、GKの好セーブに阻まれた。11分にはダビが裏に抜け出し右足でシュートも、わずかにゴール左へ外れた。

 主導権は明らかに握っていたが、前半18分、すきが生まれる。柴田がピッチに足を取られバランスを崩し、マークしていた我那覇に先制点を決められた。三浦監督が「前半に比べ後半失速してしまったという印象はあります」と話すよう、後半に入ると勢いはうせ、ゴールを割れずに力尽きた。

 日本代表のGK川島、MF中村ら主力6人がいない川崎Fに完敗。97年以来、11年ぶりのナビスコ杯決勝トーナメント進出が大きく遠のいた。DF坪内は何度も予選リーグの順位を報道陣に確認しながらポツリともらした。「いい形で入ったのに…。(我那覇の)1発で簡単にやられてしまった」。公式戦9試合ぶりの完封を目指したが、ほころびがまたしても出てしまった。

 これで予選リーグの1位突破の可能性が消えた。2位チームのうち上位2チームが決勝トーナメントに進出できるが、札幌の可能性は限りなく低い。DF陣がボールを出せず、MFクライトンが最終ラインまで下がる場面も目立った。チーム全体が自信を失い、消極的なミスが続いている。一番必要な良薬は勝ち星のはずだが、またもその機会を逃した。【上野耕太郎】