<ナビスコ杯:磐田3-0東京V>◇予選リーグB組◇5月31日◇鴨池

 磐田が攻撃姿勢を貫き、3-0で東京Vに完勝した。先発復帰したFWジウシーニョ(24)が前半44分に先制点を奪うと、課題の後半立ち上がりにも直接FKを決めて加点。同18分にはFWカレン・ロバート(22)も2試合連続弾を挙げて公式戦連敗を4で止めた。

 気温約30度の猛暑にも、最後まで運動量は落ちなかった。MF成岡ら酸欠に近い状態になる選手もいながら、誰もが集中力を切らさなかった。負ければ、磐田史上初の公式戦5連敗だった一戦。内山監督は「勝利を得られてホッとしています」と胸をなで下ろした。

 攻めの姿勢が、6試合ぶりの勝利を呼んだ。前半終了間際のジウシーニョの先制弾で折り返したハーフタイム。控室で内山監督は「点を取りに行け!」と言った。前節清水戦を含め、今季は後半10分以内の失点が7度。だからこそ、あえて守りの意識を打ち消した。これにMF西は、MF松浦に「行くぞ」とささやいた。同6分、その松浦のドリブル突破で得たFKが、ジウシーニョの2点目につながった。DF茶野は「いい時間帯に点が取れて良かった」と活力になった。

 危機感を力に変えた。4連敗となった清水戦後、内山監督はスタッフ、選手を集めて「責任は全部、オレにある」と言った。練習ではしかる声でなく、褒める言葉が飛び交った。雰囲気が変わった。前日30日、FW中山も「大丈夫でしょう」と変化を感じていた。それが完勝につながった。「これを継続していかないといけない」とDF田中。自力での予選突破がなくなったこの日。一方で、光も見えてきた。【今村健人】