チーム史上最年少となる18歳2トップの可能性が浮上した。8日のナビスコ杯予選リーグ最終戦の柏戦(札幌ドーム)に臨むコンサドーレ札幌は4日、紅白戦を行い、FWエジソン(18)がハットトリックを記録した。柏戦はエースのダビが累積警告で出場停止。FW中山がけが離脱中の上に、この日の練習中に石井が右ひざを痛め途中退場した。U-19日本代表サウジアラビア遠征を終え、5日から合流予定のFW宮沢裕樹(18)との最年少コンビ結成が見えてきた。

 ほろ苦いデビュー戦から4日、エジソンが首脳陣へ猛アピールした。前半2得点を挙げて迎えた紅白戦の後半3分だ。前線へ詰めるとこぼれ球をダイビングヘッドで押し込んだ。1、2点は右足での技ありゴールなら、3点目は気迫のヘッド。「ボールに絡むことができたし、3点取れたのは良かった。(ナビスコ杯川崎F戦に比べ)今日のほうがパスをしっかりと受けることができた」とあどけない笑顔を見せた。

 5月31日のナビスコ杯川崎F戦で後半に出場したが、見せ場はなかった。翌日のサテライトリーグ横浜戦でも先発したがシュートすら1本も打てず、消化不良の内容だった。この日のハットトリックを見ても三浦監督は言葉を選んだ。「まだ、今年の戦力としては考えてない。良ければラッキー。使いたいというのはもちろんあるが、活躍するところまでいっていない」。将来性を感じながらも、起用には慎重な姿勢を崩さなかった。

 ただし、指揮官の言葉とは裏腹に宮沢との18歳2トップ結成の可能性が高まりつつある。ダビが累積警告で出場停止。4月に左ひざの内側側副靱帯(じんたい)損傷で離脱した中山も5月下旬に再発し、焦らずに調整する方針へ転換した。柏戦で起用の可能性が高かった石井はこの日の紅白戦で右ひざ内側を痛め途中退場し、出場が微妙となった。ノナトも構想外の状況で、今季FW登録で公式戦の出場した経験を持つのはエジソンと宮沢だけだ。MF西、クライトンのFW起用もあるが、Jリーグでも極めて異例な18歳コンビの結成も選択肢の1つになる。

 97年以来2度目となる同杯決勝リーグ進出の可能性もわずかながら残されている。「チャンスがもらえるなら自分の持てる力を発揮して試合に挑みたい」とエジソン。5日には選手寮でも一緒の相棒、宮沢が合流する。2人の若き力が起爆剤となったとき、巻き返しの号砲は鳴る。【上野耕太郎】