<ナビスコ杯:札幌0-3柏>◇予選リーグC組◇8日◇札幌ドーム

 決定力不足が露呈した。コンサドーレ札幌はナビスコ杯予選リーグ最終戦の柏戦で、0-3と完敗した。ダビ(24)を出場停止で欠き、宮沢裕樹(18)は左足小指の故障を再発させ開始わずか8分でピッチを去った。2人のストライカーを欠く中、積極的に攻撃を仕掛け、今季最多となる16本のシュートを放つも、ゴールを割れなかった。深刻な決定力不足打開へ、29日のリーグ戦再開へ向け、ブラジル人だけでなく日本人を含めたFW獲得作業を、急ピッチで進める。

 歓声、そしてため息の繰り返しだった。試合終了のホイッスルが鳴ると、札幌DF柴田が芝生を思いっきり殴りつけた。3失点でナビスコ杯予選リーグ敗退。ゴールが奪えずフラストレーションのたまる展開。決められず、決められた。

 何度も柏ゴールを脅かしはした。後半18分、宮沢に代わってFWに入った砂川のシュートはクロスバーに嫌われた。同29分に再び砂川がGKと1対1からゴール左隅へシュートも、ポストに当たった。今季最多の16本のシュートを放ち、決定的な場面は7度つくるも、1点も取れなかった。三浦監督は「チャンスはつくったが、決定機を決められなかった」と悔やんだ。

 問題点が「決定力不足」なのは明らかになった。今季はシュートまで持ち込めない試合も多いが、この日は違った。中盤を支配し、ゴール前で決定機を演出した。それでもゴールマウスをこじ開けることができなかった。MF西谷は「あれだけシュートを打ったんなら点を取らないと」と言った。これでエースのダビを欠いた試合は5戦全敗となった。運ぶだけでは勝てない。決める男が最低あと1人、必要だ。

 「ダビ不在の勝率でも如実に分かるが、FWが必要」と話していた三上強化部長は、現在コロンビアに滞在中。FWを中心に、この日までに獲得候補選手のリストを固めた。練習生のブラジル人FWアンデルソンの合否もこの日までに決定する予定だったが、リストと照らし合わせるため延長。絶対的なストライカー獲得に最善の策を取っていく。

 三浦監督が「日本人FWの良い選手が取れれば、外国人センターバックという手もある」と話すよう、外国人だけでなく、日本人FW獲得も視野に入れ、弱点の克服を目指す。29日のG大阪戦からリーグは再開する。ダビは内転筋痛を抱え、石井が右ひざ内側側副靱帯(じんたい)損傷で全治1カ月、加えて宮沢も離脱した。J1残留へ、急ピッチで使えるFWを取りに行く。【上野耕太郎】