<J2:福岡2-1熊本>◇第18節◇8日◇水前寺

 福岡がMF中村北斗(22)の同点ヘッドなどで、今季初の3連勝を決めた。熊本との九州ダービーは前半9分にCKから失点。同29分にMF久永辰徳(30)のクロスに、中村が頭で合わせ同点とした。41分には久永が得たPKをMFウフク・タレイ(31)が決め、後半も1点差を守り切った。前回対戦で4失点の逆転負けから、監督の去就問題にも発展した因縁の熊本戦を制し、福岡が復調への階段を少しずつ上り始めた。

 公約通りの北斗弾が、勝利を呼んだ。相手ペナルティーエリア左からのスローインを受けた久永が、ゴール正面にクロスを上げる。長身選手の後ろから走り込んで、頭で決めたのは167センチの中村だった。「(サイドバックでなく)前で先発する試合は、得点に絡むのが仕事だから、点を決めるって言うようにしている」と、試合前から予告していたゴールを、きっちり決めた。U-23(23歳以下)日本代表のフランス遠征から帰国後、初めての試合。「正直、五輪は難しいだろうが、誰がケガするかも分からないので、チームで良い試合をして、常に準備するだけ」。世界と戦うプライドが、九州ダービーを制する原動力になった。

 積極的な攻撃参加で2得点に絡んだ久永は「熊本に特別な意識はなかったが、(リトバルスキー)監督はリベンジという言葉を強く言っていた。同じ相手に連敗するわけにはいかなかったし、次も今の状態をキープして勝ち点3をしっかり取りたい」と話した。セットプレーの失点や、後半シュート1本に終わった攻撃面にも課題はあるが、昨年8月以来の3連勝という特効薬が、チームの雰囲気を明るくした。【佐藤千晶】