4連勝で3位と波に乗るJ2山形が、11日の福岡戦(レベスタ)で01年以来の5連勝に挑む。10日は本拠地NDソフトスタジアム山形で、組織プレーを確認。小林伸二監督(47)がフロントとして昨季所属した福岡との“因縁対決”を制し、15日の仙台戦(NDスタ)に弾みをつける。一方、横浜FCをホームに迎え撃つ仙台は「忍者」ことMF西山貴永(22)を10戦ぶりにベンチ入りさせる。FWカズ(41)率いる敵軍を仕留める「刺客」に、手倉森監督が指名した。

 非公開練習でセットプレーを確認後、山形イレブンはリラックスした表情で引き揚げた。取材対応を禁じられた選手たちに代わり、小林監督が口を開いた。「福岡は体の当たりが強い。最近は3連勝しているし、あの順位(9位)にいるチームじゃない」。警戒感を漂わせた。

 先月18日の仙台戦で悪夢の2点差逆転負けした後、指揮官自ら「5連勝してもう1度、仙台と戦いたい」と沈みかけたチームを鼓舞するように発した。徳島、熊本、横浜FC、鳥栖と連破し「有言実行」まであと1勝。5連勝すれば、最終節までJ1昇格を争った01年以来となる。「福岡とはこの前(4月26日)、0-0で引き分けたから、今度は勝ちたい」と小林監督。昨季は福岡のチーム統括部長を務めていたが、複数年契約を1年で解除された。胸に秘めたモヤモヤを白星で吹き飛ばすつもりだ。

 対策はある。福岡地方の11日の降水確率は60%。ぬれた芝でプレーする可能性が高い。「ゴロの速いパスを出せば、ウチにもチャンスがある。福岡の守備はマンマークだから、新しくできたスペースを突きたい」。ゾーンでないため、相手DFを振り切って速いパスを受ければ、チャンスは広がる。ぬれた芝の上を滑らせるパスは、山形に有利に働くはずだ。

 スタメンは、前節と同じになる見込み。「チームの調子がいいのに、メンバーを変えて負けたら、私は責任を取れない。差し替えるのは難しい」。最近6試合で18得点の爆発力を持続しつつ、仙台との再戦まで連勝街道を突っ走る。【柴田寛人】