<J2:鳥栖1-0湘南>◇第20節◇15日◇ベアスタ

 最後まで1点を守り抜いた。立て続けに3本のCKを浴びたロスタイムをしのぎ切り、スタメンを5人入れ替えた鳥栖が連敗を3で止めた。「ハラハラ、イライラ、ドキドキ…。いろんなものがあったが、魂のこもったゲームだった」と岸野監督。4試合ぶりの勝利で5位に再浮上した。

 主力にけが人が続出する窮地で、前向きな姿勢を取り戻した。臀部(でんぶ)痛のMF高橋主将が今季初欠場。DF高地も14日に腰を痛めメンバーから外れ、左足首を痛めたMFレオナルドも前半16分にベンチに下がった。6試合ぶりに先発したMF鉄戸は「チームの雰囲気を変えないといけないと思っていた」。豊富な運動力を誇る鉄戸やレオナルドに代わったMF山城らを中心に前線からプレスをかける持ち前の攻撃的守備で主導権を握った。前半34分、FW藤田がPKで決めた虎の子の1点も「チームのプラスになろうと思った」と前向きだった鉄戸が、走り込んだゴール前で獲得したものだった。

 前節水戸戦の翌12日、選手、スタッフが寮で緊急ミーティングを開催。意見をぶつけ、やらなければならないことを確認して臨んだ一戦だった。「何でいつもこんなゲームをしないのか。後で(選手に)聞きたい」と首をかしげた岸野監督だが「今日と同じぐらいの運動量とファイトを出せれば、そんなに負けない」と巻き返しに手応えを見せた。【村田義治】