せっかく買ったばかりなのに…。コンサドーレ札幌に“ベッカムカプセル問題”の余波が襲った。「高圧酸素カプセル」がドーピング違反の恐れがあるとして、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が競技団体などに使用自粛の文書を通達することが分かり、選手に困惑の声が広がった。今季からユニホーム胸スポンサーとなったニトリから寄付された1億円を活用し、疲労回復に効果があるといわれる同カプセルを今年1月に1台500万円で購入したばかり。ほとんどの選手が使用していただけに対応に苦慮している。

 同カプセルはイングランド代表のベッカムが02年日韓W杯の際、けがの治療を行ったことで有名。現在では多くのスポーツ選手が使用している。現状では検査の実施時期や方法などは明確になっていない。石綿トレーナーは「どうやって血中濃度を調べるのか、よく分からないですね。とりあえずは、様子見です」と、現段階では使用制限など行わない方針だ。

 川崎F我那覇のケースもあり、選手はドーピングに神経質になっている。MF砂川は「週に1、2回は使っている。ただ、それが使用できないというルールになればそれを守るしかない」とコメント。DF池内は「眠気も取れてすっきりする。(同カプセルには)お世話になっているのに」と話した。札幌にとって同カプセルは貴重な“戦力”だけに、今後の動向を注意深く見守っていく。