地元で恩返しゴールを決める!

 J2山形のFW長谷川悠(20)が、次節21日の甲府戦(山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場)で、出身地・山梨県での試合に臨む。高校以降は山梨を離れたため、同競技場での公式戦出場は初めてになる。小5から中3まで所属した山梨・トラベッソFCの秋山実監督(57)が観戦予定で、恩師の前で3試合連続ゴールを狙う。

 長谷川が軽快な動きを見せた。7対7のミニゲーム。FW豊田らとパス交換しゴール前へ。1ゴールを決め笑顔を見せた。14試合連続フル出場中で、ここまでチーム得点王の5ゴール。6連勝で2位快走と絶好調な、山形の先発FWとして“凱旋(がいせん)”する。「6連勝とか地元とか、あまり考えないで、いつも通りプレーしたい」と平常心を強調した。

 恩返しには絶好のチャンスだ。高校は千葉・流通経大柏に進学。06年に柏入りした後も、山梨への遠征に参加することはなかった。「甲府戦は、秋山さんが初めて見に来てくれるので、楽しみです」。トラベッソFCは、トラップやパス、ドリブルなど足技を徹底的に教え込むことで知られる。ボールに触る時間が長く、長谷川も細かい技術を学んだ。現在でも秋山氏を「恩師」と慕っている。

 「実家に帰る時は、途中で必ず秋山さんの自宅に寄ります。最近では『上を目指せ、満足しないように』と言われました」。甲府戦でゴールを決め、クラブ新記録の7連勝に導くことが最高の恩返しになる。「山梨でプレーする機会は、なかなかない。いいプレーを続けて得点したい」。今季唯一の山梨県内の試合に向けて、闘志を新たにした。【柴田寛人】