<J1:鹿島4-0名古屋>◇第14節◇28日◇瑞穂陸

 ピクシー名古屋が再スタートで黒星発進した。日本代表の活動などによる中断をへて、41日間ぶりのリーグ再開戦。前半の2失点が響き、昨季王者の鹿島に0-4で完敗を喫した。4失点は今季初。試合後は、ゴール裏から今季初めてブーイングも飛んだ。中3日で7月2日にはナビスコ杯準々決勝第1戦の千葉戦(フクアリ)に臨む。

 試合後、名古屋サポーターから今季初めてブーイングが飛んだ。試合開始早々の前半4分にマルキーニョスに右足で決められて先制され追いかける展開。その後は17本のシュートを放ちながらもゴールを決めることができなかった。消化不良の内容に加えて今季ワーストの4失点…。悲願のリーグ戦初Vへの期待を背負っての再開初戦。優勝争いのライバルとなる王者・鹿島に喫した完敗だっただけに、厳しい声が飛んだ。

 明暗がくっきりと分かれた。3日前にリーグ大分戦を制して中2日で乗り込んできた鹿島に対し名古屋は事実上の「ぶっつけ本番」。実戦は8日のナビスコ杯浦和戦以来20日ぶり。中断期間は11日間と長い完全オフがあった。さらに練習再開後も練習試合どころか紅白戦もない中で鹿島戦を迎えていた。試合勘や連係面など不安視された面が点差となって現れたとみられても仕方がない内容だった。

 悪い流れを断ち切れなかった。1点を追う同23分にFWヨンセンが右足でネットを揺らす。だが、この“同点弾”も審判団の協議の末、直前のプレーがオフサイドと判定されて幻となった。すると、5分後にMF小笠原に決められ点差を広げられた。そして同37分にはFW玉田が自ら得たPKを失敗した。後半34分にMFダニーロに決められ0-3。終了間際には4点目を奪われた。

 累積警告で出場停止の中村に加え、不祥事でクラブが鹿島戦含む3試合出場停止処分を科したマギヌンという中盤の主力2人の不在も響いた。救いは首位浦和も負けたことだけ…。リーグ再開を待ちわびるように、この日のチケットは02年11月30日磐田戦(豊田ス)以来となる前売り段階での完売。だがサポーターの熱気と期待に勝利でこたえることはできなかった。ストイコビッチ監督は「今日は我々の日ではなかった。選手は今までの戦いに、満足してしまっていたのかもしれない。立ち上がり、集中力がなかった」と話した。