浦和でボランチに専念していた闘莉王が5日の東京戦で、約3カ月ぶりにDF復帰することが濃厚となった。2日の練習では、3バックの中央に入って守備連係の確認を行った。闘莉王自身は「どうなるか分からない。ゲルト(エンゲルス監督)さんと話していないから」と言葉を選んだが、エンゲルス監督は「闘莉王は(DFに)慣れた選手だし、いつでもできる」と、3日の非公開練習で試す意向を示した。

 岡田ジャパンでは不動のDFだが、今季の浦和では主にボランチに定着していた。3月30日の新潟戦で転向して以来、リーグ戦12試合でMFで出場。4月13日の鹿島戦ではトップ下に入り、計6ゴールと攻撃を支える存在となっている。しかし、チームはナビスコ杯を含めて公式戦5連敗で計16失点。守備の立て直しが急務となっているだけに、DF堀之内は「闘莉王がDFに入るプラス面は大きいと思う」と歓迎した。

 試合当日の埼玉スタジアムでは日本・ブラジル移住100周年記念のパネル展が開催。ブラジル移民者の子孫となる闘莉王の歴史展が目玉となる。ルーツを記念するイベント日に、原点のDFに戻る見通しの闘将は「負けられないね」と決意を新たにしていた。【藤中栄二】