<J1:京都1-1大分>◇第15節◇6日◇西京極

 耐えた。粘った。北京五輪代表候補、GK西川周作(22)の奮闘で、大分が最低限の勝ち点1を手にした。FWフェルナンジーニョを中心に京都攻撃陣に15本ものシュートを浴びる苦しい展開となったが、自ら激しくオフサイドを主張した前半22分の失点以外はゴールを死守。7日からの同代表候補合宿を控え「勝って合宿に行きたかったが、負けなかった。最低限の結果は出した」と前を見据えた。

 試合開始直前のアクシデントにも負けなかった。1度はスタメン出場が発表されたMFホベルトが、アップ中に左足内転筋の痛みを訴え離脱。DFで先発予定だった藤田を守備的MFに上げ、DF小林宏を急きょ先発させる緊急事態に「前半から守備のプランをやり直さなければならなかった」とシャムスカ監督。中盤でボールが収まらず、DFラインの連係ミスを突かれ失点。FW前田の公式戦2試合連続弾で同点とした後も防戦一方となったが、西川が立ちはだかった。

 前半30分には至近距離で浴びた京都FW柳沢のシュートをパンチング。同36分にもフェルナンジーニョのシュートを食い止め、追加点を与えなかった。リーグ戦でのアウェーはこれで7試合未勝利と、03、05年に続くクラブワーストタイ、シャムスカ体制では初の屈辱となったが「先制点を取られた後も負けなかったのが、昨年からの成長」と西川。サポーターからはブーイングを浴びたが、内容的に完敗でも負けない強さを身につけてきたことが収穫の引き分けだった。【村田義治】