<J2:岐阜2-1山形>◇第24節◇6日◇長良川

 2位山形が苦手チームをつくってしまった。前回の対戦で、5失点で惨敗(3-5)した岐阜に、1-2で返り討ちされた。後半30分に先制された後、MF秋葉勝(24)のゴールで同点に追い付いたが、同42分にFKで決勝ゴールを許した。前節で首位広島を下し、連勝で勢いを付けたかったが、今季J新加入の岐阜に連敗した。首位広島が最下位熊本と引き分け勝ち点差を詰めるチャンスだったが、その差を8に広げられた。

 自慢の堅守が、もろくも崩れた。後半42分の岐阜のFK。山形イレブンは、ゴール右に吸い込まれるボールを、ただ見送るしかなかった。GK清水は1歩も動けず、悔しそうにボールを蹴り上げた。2失点したのは5月31日の横浜FC戦以来、7試合ぶり。後半30分には、右サイドバックの宮本が相手選手を止められず先制を許すなど、らしからぬプレーが続出した。

 DF石井は「蒸し暑さで運動量が落ちてしまった。長い距離を走る選手が少なかった」と表情を曇らせた。今季の山形は、前線からプレスをかけ、攻撃につなげるスタイルを確立。しかし自陣ゴール前にスペースができる傾向があり、それを岐阜に突かれた。小林監督は「苦手意識はないけど、少しずつ研究されている感じがした。球際のプレーでも岐阜の方が強かった」と振り返った。

 山形は第1クールで鳥栖、岐阜、広島、仙台の4チームに敗れた。しかし第2クールで、雪辱勝利を続けここまで3連勝していた。鮮やかなリベンジ完結…のシナリオは、4チーム目の岐阜に敗れ、今季最初の「2敗チーム」をつくってしまった。

 今後に向けて「相手FKの時に壁がジャンプしなかったり、イージーミスがある。修正したい」と小林監督。相手に研究されているのも、裏を返せば強さの証し。それを克服してこそ、夢のJ1切符は現実のものになる。2位を走る山形が、新たな課題をクリアすべく、再スタートを切る。【柴田寛人】